​宏昇製作所 家具

Completion / 2022

Works / Product Design
Category / Furniture
Photo / 甲田 和久

もともとオフィス向け家具メーカーの制作を主軸としてきた宏昇製作所が、自社のオリジナル家具を展開するプロジェクトとして、ブランディングを行いました。

中心となる家具のデザインあたり全体コンセプトとして、
「今」 必要な家具とは何かを考え、住居や店舗、オフィスなど、建築家やインテリアデザイナーが創造する現代の空間に寄り添える家具として、 過度な装飾を省いたミニマルな家具を提案しました。形状や色彩、素材に秩序をもたせることで生まれる美しさと、 必要な機能から生まれる意匠が、シーンに溶け込みながらも適度に主張し、空間と時間を彩ってくれることを考えました。

以下、各アイテムコンセプト

[CARRY]
気軽に動かせる椅子を作りたいと思いました。椅子はある程度決まった場所に置かれるものですが、CARRYは無作為に置かれ、必要に応じて動かして座ります。 動かすという行為が、コミュニケーションの「形」を創造します。近くてもいいし、程よく距離をとってもいい。数人で輪をつくってもいい。ただの椅子としてでは無く、気持ちを運ぶコミュニケーションツールとしてデザインされました。 円柱型に沿うように曲げられた取っ手は有機的で美しく、触れたり動かしたくなる趣があります。 CARRYのカラーバリエーションは「福島の色」をモチーフにしています。昔からある福島の美しい色が空間とコミュニケーションに彩りをもたらしてほしいと思います。

[NEAT CHAIR]
家具は人と触れるという性質上、角がなく柔らかいフォルムが多くありますが、佇まいの美しさを求めて、四角い椅子をつくりました。水平垂直をベースにつくりつつ、背もたれだけに角度をつけています。背もたれとなる板材はクッション性はありませんが、美しく優しい木のぬくもりが心地よい座り心地をつくります。 四角い空間に同調し、線と面が織り成す美しい佇まいの家具となりました。

[KIKI]
空間に溶け込み、静かに佇むスツールとして、ずっと身近に置いておけるような普遍的な物を考えました。椅子やサイドテーブル、ちょっとした物置台などその時々で必要な使い方をしてほしいと思いつくりました。引っ越しやリフォームで環境が変わっても、部屋の片隅に在り続けられる物であってほしいと思います。シンプルな形状で、空間に馴染みつつも、脚の中心をずらしたことで、オブジェのように緩やかに空間に干渉します。 無垢材を使っているので、「木」という素材を存分に感じることができます。木のそのままの色を感じられるようにクリア塗装のみの仕上げで着色は行わず、六つの木種を展開しています。

[SUNNY SIDE]
日本は元来、床の生活で胡座をかいたり、正座したりしますが、近年はフローリングが使われることが多く、ソファや椅子が主流になっています。そこで、床や縁側に座るような感覚で使えるデイベットをつくりました。縁側のように日差しが似合うデイベットです。落ちる影も意匠となることを想定し、過度な装飾は避けています。背もたれがない分、向きも固定されず、シンプルさゆえの使い勝手の良さがあります。